自然治癒力(しぜんちゆりょく)とは、人間・動物などの心身全体が生まれながらにして持っている、自分の意識とは関係なく、たえず作動し、常に待機しており、何らかの損傷が発生すると自動的に自己修復プロセスを活性化する力。
ケガや病気を治す力・機能を広くまとめて指す表現。手術を施したり、人工的な薬物を投与したりしなくても治る機能のこと。「自己治癒力」とも呼ばれる。
人間が生まれながらに持っている病に打ち勝つ力
生得的に備わっている病気や環境に対抗する力
脳や免疫系、また心の作用による免疫システム生得的(しょうとくてき、せいとくてき):心理学などにおいて「本来備わっている先天的なもの」という意味の用語である。
伝統中医学では、病を治すことよりも体調を整えることに主眼を置いており、生命力を高めることによって治癒力を動かしているとも考えられている。
「自然治癒力」と古くから呼ばれ親しまれている機能の中には、「自己再生機能」と「自己防衛機能」が認められる。「自己再生機能」とは、体が外傷などを負った時に、(それが少々の規模であれば)傷を治す機能のこと。「自己防御機能」とは、生体の外部から浸入してくるウイルス・細菌類と戦う機能のこと。つまり「免疫」のことである。
二つの機能は連携して機能することもある。例えばスリ傷を負った時の治癒では、生体は浸入してくる細菌と戦いつつ皮膚を再生しているので「自己防衛機能」と「自己再生機能」を同時に働かせているということになる。
伝統中医学での自然治癒力を活性化する方法
心のあり方を整える
食・運動・休息など生活習慣を整える
気の流れを良くする生活を心がける
自然治癒力を高めるには、生命の原点に帰り、自然との調和をもっとも考えるべきです。 好きな音楽を聴いたり、好きな香りを嗅いだり、自然を感じ、自然の恵みを感じて好きなものを食べ、穏やかでリラックスし、深い呼吸をし、活力に満ちたワクワクした心になることによって自然治癒力を活性化することができます。
医者は元来、病を治すのが目的ではなく、病を治す助けをするのが役目です。それは、薬を処方することではなく、人間の体が病や不調の状態から回復させるための方法を行うことが目的です。
養生(健康の増進に心がけること、または病を治すように努めること)の基本は自然に帰り、体が本能的に喜ぶことを行うことにあります。自然治癒力の低下は“不自然”が原因となります。人の健康と病は、宇宙の万物である自然の変化と深い関係があります。人の健康と自然とは単独で存在することができず、一体化して初めて活動ができます。
これらのことに基づいて病の原因、症状、治療法などを理論的かつ哲学的に解釈したものが伝統中医学です。伝統中医学では常に体全体と環境から病を分析し、自然治癒力、即ち病に対抗する能力(現代医学でいう免疫の強化)を最大限に高めることができます。
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