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健康観(WHO)



健康観

 

健康の定義


「健康」「長寿」これは人間誰しもが求める、最も大切なことである。 健康で長生きしたいという人間の欲望や願望は、多くの人達に時代や国境までも超えて求められてきた。それでは「健康」とはどういう状態を指すのか。 

1948(昭和23)年、WHO(World Health Organization 世界保健機構 現 世界保健機関)が全世界の健康に関する有識者を集め、保健憲章を作った。WHO憲章では、その前文の中で「健康」について、次のように定義している。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう。」


健康とは病気や虚弱でないというだけではなく、身体の体力値が高く、知的には適切な教育を受け、社会的(家族、地域社会、職場)には豊かな人間関係があり、精神的にも安定している状態である(精神的健康・社会的健康・身体的健康のバランスが取れた状態というものだといえる。)

この定義によってWHOでは、医療に限定されず幅広い分野で、人々の健全で安心安全な生活を確保するための取り組みが行われている。


この憲章の健康定義について、1998年に新しい提案がなされた。


Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.


静的に固定した状態ではないということを示す「dynamic」とは、健康と疾病は別のものではなく連続したものであるという意味付けから、また「spiritual」は、人間の尊厳の確保や生活の質を考えるために必要で本質的なものだという観点から、字句を付加することが提案された。


この提案は、WHO執行理事会で総会提案とすることが賛成22反対0棄権 8で採択され、そのことが大きく報道された。


そのため、健康定義は改正されたと誤解している人も多いが、その後のWHO総会では、現行の健康定義は適切に機能しており、審議の緊急性が他案件に比べて低いなどの理由で、審議入りしないまま採択も見送りとなった。 


日本語では「mental」も「spiritual」も同じく精神的と訳してしまいそうになるのは、宗教に希薄な国民性のためかも知れない。どう翻訳すべきかを考えてみることも、「健康とは何か」を考える一つと言える。


健康に関する定義で、世界的に知られているのは、WHO(世界保健機関)憲章の前文中にあるものである。


「健康とは、身体的、精神的ならびに社会的に完全に良好な状態であり、単に病気や虚弱でないことに留まるものではない。到達しうる最高度の健康を享受することは、人種、宗教、政治的信念、社会・経 済的条件の如何にかかわらず、全ての人類の基本的権利の一つである。」


以上のことを簡単に言うと、単に病気や虚弱ではなく、身体的には体力値が高く、知的には適切な教育を受け、社会的には豊かな人間関係があり、精神的にも安定している状態ということになる。



現代の健康


現在は複雑・多様化した社会のため、個人の健康観、ライフスタイルは様々なものになっている。健康については目標ではなく、よりよい生活のための手段として考えられるようになった。


そして、健康は他に与えられるものではなく、個人が日々の暮らしの中から年齢や体力、生活様式に 応じて自分に適したものを獲得し、守っていくものとなる。そのため、医学・栄養学・体育学・心理学・社会学など、健康に関する科学を総合化し、それに基づく積極的な実践が必要とされる。このことから、現代的な健康の定義は以下のようになる。


「健康とは環境の変化に適応し、 自分の能力を充分に発揮できる状態をいう。」

この基準をもとにすれば、すべての人は病気という概念があり、健康と病気の間には健康ともいえないが病気とも言えない中間状態、”半健康”状態があり、”半健康人”と言う言葉が生まれる。半健康に対しては、栄養指導を含めた予防活動が重要であり、健康人には健康増進活動、病気の人には治療が必要となる。



健康意識


人間は万物の霊長と言われ、健康も単なる生物的な面だけを言うことはできない。WHOの定義に示されるように社会的にも満足された状態ということになる。例えば、生物的に健康と言えても健康に不安をいだいていれば健康とは言えない。



健康観


自分が健康であるか、健康でないかといった健康観には、精神的な面と体的な面がある。多くの人は、健康と病気を対比させて考えているため、病気でなければ健康であると考えている。また、健康状態に異常がなくても、運動不足、睡眠不足、ストレスといったものを生活上で感じていれば、自分は健康でないと感じる人もいる。


このように個々に健康感は異なるため、健康状態が良好であっても、さらに健康の保持・増進を図ることが健康感を高めていくことであり、とても重要となる。



健康不安


健康かと質問すると多くの人は健康だと思うと答える。


しかし、健康の先行きに対して不安を持っている人も多い。多くの調査では、まあまあ健康だという人を含めると、80~90%の人は健康だと答えている。しかし、健康についての先行きに対して聞くと70~80%の人が不安を感じている。

 

これは、今の健康状態は健康であるが、現在の生活を反省すると、将来については自信がない生活を送っているということになる。さらに、不健康生活 は様々な半健康状態を生じる。例えば、肥満の人のほとんどは、健康であると思っている。


しかし、逆に肥満がいけないことも知っている。それは、現在は健康であると思っていても、将来は病気になるかもしれないという潜在意識が生じている人は多いはずである。




健康に対する意欲


医療技術の進歩と共に、医学も予防医学の方向に力を注ぐようになってきた。

医学を中心に、ホームヘルパー、ケースワーカー、訪問看護士、地域リハビリワーカー、薬局薬店のヘルスショップへの変換、予防栄養士、健康管理士など予防システムが出来上がっている。


健康は、本人が健康生活を守っていかなければ確保できない。本人の健康に対する意欲が非常に重要となってくる。



健康で健やかな毎日を


人々の仕事や生活は、健康で丈夫な身体を基本としている。人々の願いは、今の健康の状態を維持し、若さを保つことである。病気になってから気づくよりも、毎日の生活を見直すべきである。ガンや心臓病、糖尿病などの生活習慣病は、食事、運動、喫煙といった生活習慣と深く関連している。


ここ数年、三大生活習慣病―ガン、心臓病、脳血管障害だけで死因の六割を占めている。 

最近の傾向として、脳血管障害(脳卒中、脳梗塞)による死亡率が減少していることが挙げられる。


ただ、実際には発症率は変わっていない。医学の進歩により死亡率が減少しているだけで、その分、寝たきりや重い障害に悩まされている人が多くなっている。

以前として、重く、恐い病気には変わりはない。また、ガンが死亡率の一位だが、心臓病、 脳血管障害などの血管・血液の病気を合計すると、がんの死亡率よりも多い。日頃から生活習慣に気を付け、“血液の流れを良くし、血管の若さを保つこと”が大事である。



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