中医学(中医学基礎理論・中医診断学・中医内科学)を詳しく説明する一般社団法人国際伝統中医学協会の「中医学大辞典」
労逸

労逸

労逸とは、過度な疲労と必要以上の休息である。適度の労働と身体の運動は、元来人体に有益のものであり、これは気血の流れを促進し体質を強化することができる。また充分な休養は疲労を解消し、体力や思考力を回復させる。

しかし、過度の疲れ、運動不足やのんびりしすぎた生活は発病因子となる。長期にわたり蓄積された疲労に注意する必要がある。過度の疲れは、体力、脳力、房事の3つに大別される。

労倦(疲労)

労力過度:

過激な働き、或いは長期間の肉体労働により疲れがたまり、気血を消耗し、脾、肝に影響を及ぼし、精神疲労、消痩(痩せる)などの症状が現れる。

心労過度(精神疲労):

過度の思慮は、心脾を損傷し心血を消耗する。そのために心神失養となると、心悸、健忘、不眠、多夢が起こり、そのとき、脾気を損傷すると、脾不健運となり、腹脹、食欲不振、軟便などの症状が現れる。

房事(性生活)過度:

正常な性生活は、子孫繁栄のための人類生理の本能である。しかし、性欲にまかせての過度の性生活は、その人の精血を消耗する。腎は先天の本であり、精をためる重要な臓器である。性生活に節制がないと、腎精を消耗する。

腎精が不足すると、腰膝酸軟(腰や膝がだるくて無力)、眩量、耳鳴り、元気がないといった症候が現れ、男子では性機能減退、遺精、早漏、ひどいときにはインポテンツ、女子では閉経、帯下病が発生する。

過度の安逸:

これは暇を持て余すばかりで、働かず運動もしないことを指す。毎日、身体は適当な労働と運動が必要であり、これによって気血の流れがスムーズに行われている。

長期間にわたって肉体労働や運動をしないと、気血の運行が悪くなり、脾胃の働きも弱ま る。これは過度の安逸によるものであり、食少、乏力、肢体軟弱、精神不振、動くと心悸、息切れ、汗が出るといった症状が現れ、さらに進むと、糖尿病や心臓病など、他の病を引きおこすことになる。

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