中医学(中医学基礎理論・中医診断学・中医内科学)を詳しく説明する一般社団法人国際伝統中医学協会の「中医学大辞典」
熱邪(火邪)

火(熱)邪<六淫>

火と熱は、どちらも陽が盛んになって発生したものであるから、一緒にして火熱と称されることが多い。しかし、厳密にいうと火と熱には一定の違いがある。熱の極限が火であり、火がややおさまったのが熱である。

熱邪は外淫のものが多く、これには風熱、暑熱、湿熱などがある。また、火は、内生したものが多く、これには心火、肝火、胆火などがある。火熱の病も内外の違いがある。

外感は、温熱邪気を感受して侵襲されたものであり、内生は、臓腑の陰陽気血が失調したために陽気が盛んになり過ぎて発生したものである。風、寒、湿、燥などの外邪が長期にわたって体内に鬱積していると、変化して火となることもある。

この火を「五気化火」と称している。また、喜、怒、思、悲、恐などの五志過極な精神的刺激により火が生じることもある。これを「五志化火」と称している。

火熱の性質と発病の特徴

火熱による症候は、自然界の炎熱の現象に類似している 。

火熱が人体を犯すと高熱・悪熱・口渇・発汗・脈洪数などの症状のほか、人体上部にある頭や顔面に熱が昇って、口舌生瘡(口腔内や舌にできものができる)歯茎が腫れて痛む・目が赤く腫れて痛む・頭痛などの症状をあらわす。 

火熱には血を動かして出血を促進する性質がある。例えば、入浴や興奮によってのぼせ過ぎると鼻血が出るのは、熱が血を動かす現象の一つである。実際の疾病では、火邪が血分に及んだり脈絡を損傷したりすると、吐血・喀血・鼻出血・血尿・血便・皮下出血・崩漏(不正性器出血)など各種の出血があらわれる。 

また、火熱が体内に侵入すると、上焦に位置し陰陽調節の中心となる心に達して神明を障害し、心煩(胸中が熱くほてって落ち着かない)・不眠・狂躁妄動(精神が狂い乱れて、手足をばたつかせる)・神昏譫語(意識が昏迷しうわごとをいう)などの症状を示す。

火熱は「陽邪」その性は炎上:

火熱は陽邪であり、陽には躁動、上へ向うという特徴があるので、「炎上」する特性があるといわれている。そのため、火熱による病には、高熱、煩渇、顔面紅潮、目赤、汗が出、などの症状が現れる。

火には炎上という特性があるので、上部の神明(精神、意識)を擾乱(かき乱すこと)すると、心煩、不眠、狂躁、妄動、意識朦朧、うわ言などの症状がみられる。

また、炎熱が上炎すると、頭顔面部に症状が現れることが多い。

例)目赤、口苦、歯甑腫痛、口舌のぴらんなど上部の火熱の症状である。

気・津を損傷しやすい:

火熱の邪は、津を体外に追い出すだけでなく、陰液を焼灼し、人体の陰津を最も消耗しやすい。そのために咽乾、唇の渇きが起こり、口渇、喜飲(飲みものをはしがる)、尿赤短少(尿の色が濃くて量が少ない)、便が硬い、便秘などの津液損傷による症状が現れやすい。また、火熱の邪気は元気を消耗しやすいので、倦怠、精神疲労、願言(話すのをおっくうがる)、乏力などの気虚の症状を随伴することが多い。

風を生じ、動血しやすい:

火熱の邪は肝陰を消耗しやすく、このために筋脈が陰精の濡養を得られないと肝風が生じる。これを「熱極生風」という。これにより、高熱、意識不明、うわ言、四肢の痙攣、後頚部硬直、後弓反張などの症状がみられる。

また、火熱の邪が脈絡を損傷し、ひどければ迫血妄行になり、吐血、鼻出血、喀血、血尿、血便、皮下出血、或いは女性の月経過多、崩漏などの出血症状が発生する。

腫瘍の形成:

火熱の邪が血分に入り、それが局部に集まると、血肉を腐食すると癰腫瘡瘍(おできや腫れもの)が起こる。瘡瘍に現れる局所の紅腫、熱痛はこの火熱によるものが多い。火邪には「実火」と「虚火」がある。

上述の症候は、大多数が外来の温熱の邪を直接感受したり、風、寒、湿、燥の邪を感受した後に火(熱)に変化したときにみられるものであり、外感熱病の熱盛期に相当し、「実火」が主体である。

「虚火」は、陰虚による内熱で生じ、火熱の症状が実火よりも緩和であり、身体の熱感、心煩(焦燥感)、舌質は赤、津液が少ないなどが現れ、普通高熱は出ず、口渇は強くない。

この他、「外火」と「内火」の違いがある。外感熱病に見られる火熱の症候が「外火」であり、体内の陰陽失調で生じる「五志過極」、すなわち精神情緒の激しい変動による熱象を「内火(内熱)」といい、虚火も「内火」の一種である。外火は実火であり、内火(内熱)は実火と虚火の違いがある。

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