中医学(中医学基礎理論・中医診断学・中医内科学)を詳しく説明する一般社団法人国際伝統中医学協会の「中医学大辞典」
望頭頸

望診

望頭頸(頭部をみる)

頭は精明の府であり、元神の居場所である。脳は、髄の海であり、腎が主る。髪は、血の余りであり、腎の華である。顔は心の華である。
顔面五官の疾患は数多く幅広いので、ここでは一般的な診法を紹介する。

望頭

1.頭形

頭の形態と大きさは、個人差があるが、大きすぎたり、小さすぎたりするのは、みな異常である。
その多くは、乳幼児期ごろ、先天不足と後天不足、またはある疾病(例えは、水頭症ー先天性大脳蓄水症など)に続発して起きることが考えられる。同時に、知能不全を伴う。

2.顖門(しんもん)(泉門)

新生児の頭蓋骨の境目で、骨化がまだ進んでいない結合組織膜の部分であり、大顖門と小顖門に分ける。
左右の前頭骨と左右の頭頂骨とに挟まれた菱形のものを大顖門と いい、生まれてから12-18ヶ月後に閉鎖する。左右の頭頂骨と後頭骨との間の三角形のものを小顖門といい、生まれてから2-4ヶ月後に閉鎖する。
顖門がくほんでいるものは、「顖陥」という。これは、先天腎精虧虚、後天脾虚気血不足、吐瀉による津液損傷などが原因で脳髄が充実しないために起こる。多くは虚証に属する。ただし六カ月以内の新生児の顖門がややくぼむことは正常である。
顖門が隆起しているのは、「顖填」という。
これは熱邪上攻、脳内水液停滞、脳病などの原因によるものである。乳幼児が泣いたり暴れたりするとき、顖門がやや隆起することがあるが、正常である。
顖門の閉鎖の遅れや頭蓋骨縫合の不全などは、古代では「解顱」と称し、先天不足と後天失養が考えられる。

3.動態

頭部が無意識に揺れるのは、肝風内動(肝は風木の臓で、陽熱亢盛あるいは陰虚・血虚で化燥すると、眩暈、痙攣、振顫などの内風の症状が現れる。)の前触れである。

4.頭髪

黒く濃密で潤沢な頭髪は腎気旺盛と精血充足の現れである。
頭髪が黄色くて抜けやすい、まばらで質感が乏しいものは精血不足によるものであり、甚だしければ 頭髪が全部抜けることもある。
ある日突然、頭に硬貨大の脱毛が見られるものを「斑禿」という。 脱毛部位が円形であり、有毛部との境界が明瞭で、炎症や発疹がみられない、ひどい場合は全頭が脱毛する、これは血熱あるいは血虚受風が考えられる。
頭皮が痒くて脂性であり、いつもベタベタしている場合は、湿熱による脱毛である。
青少年の白髪は、腎虧、血虚、先天稟賦などの原因が考えられる。

望面

1.水腫

中医学において、水腫は、陰水と陽水に分けられる。陽水は、浮腫みが眼瞼頭面から始まり、進行が速い。これは、外邪が原因である。
陰水は、浮腫みが下肢や腹部から始まり、進行が遅く、最後は頭面に波及する。これは、脾腎陽虚や心腎陽虚が考えられる。

2.紅腫

顔面が赤くて腫れる もので、ほとんどは熱毒上攻によるものである。
臨床的には、「抱頭火丹」、「大頭瘟」、「痄腮」などの病症が挙げられる。

3.口眼歪斜(こうがんわいしゃ)

口眼歪斜とは、患側の顔面部筋肉が弛緩し、健側の筋肉に引っ張られて歪むもので、「口眼喎斜」ともいう。 筋肉の運動麻痺が主な症状であるが、その上に、額にしわを寄せられない、眼を閉じられない、口角が垂れ下がる、口をとがらせて口笛が吹けなくなる、口角からよだれが垂れる、食事や言語が障害されるなどの症状を伴う。
原因は、風邪中絡であるが、もし、半身不随を伴えば、肝風内動による中風後遺症が考えられる。

望頚項

1.癭瘤(えいりゅう)

大小にかかわらず、頚の前、喉頭隆起の横のしこりが嚥下(えんか)運動(食物を飲み下すこと)に伴い、移動するものを「癭瘤」という。また「頚癭」ともいう。ほとんどは肝鬱気結痰凝、または地方の風土によるものである。
癭瘤:甲状腺腫、リンパ腫などをさすことが多い。

2.瘰癧(るいれき)

顎下の側頚部に、米ぐらいの大きさ、数珠のようにつながるしこりは「瘰癧」という。
これは、肺腎陰虚による虚火が津液を煉(ね)り、痰核を成したもの、あるいは外感の風火時毒が痰を挟んで頚項に凝結したものである。
瘰癧:結核菌の感染による頸部(けいぶ)のリンパ節の慢性的なはれもの
風火時毒:風は上へと駆け上がり、熱による病証を引き起こす。

3.頚脈

安静の状態で、人迎脈(頸脈)が激しく拍動するものは、肝陽上亢や血虚が考えられる。
頚脈が怒張し、横になるとさらに目立ち、時々拍動する、これは、瘀血、痰飲、陽気虚衰などが考えられる。
陽気虚衰:精神が疲労して寒そうな感じ

4.項強と項軟

項強は、項部が緊張・硬直するもので、これは、外感風寒、火邪上攻、気滞血瘀などが考えられる。
項軟は、首が軟弱で無力であること、先天腎精不足と慢性病で臓腑精気衰微が原因である。

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